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白内障で運転免許の更新は大丈夫?視力の基準と夜の運転で気をつけたいこと

「次の免許更新の視力検査に通るか心配です」「夜に運転すると、対向車のライトがまぶしくて怖い」。車での移動が欠かせない方から、こうしたご相談をよくいただきます。

先に結論をお伝えします。白内障があっても、基準の視力が出ていれば免許は更新できます。眼鏡やコンタクトレンズを使った視力でもかまいません。ただし、白内障は視力の数字以上に「まぶしさ」や「コントラストの低下」として運転に影響することがあります。検査に通るかどうかだけでなく、安全に運転できる見え方かどうかを考えることが大切です。

この記事では、免許の視力の基準、白内障が運転に影響するしくみ、夜の運転の注意点、そして手術を考える目安を順番に説明します。

運転免許の視力の基準

普通自動車の免許(第一種)では、法律で次の視力の基準が決められています。

  • 両目で0.7以上、かつ、片目ずつそれぞれ0.3以上
  • 片目が0.3に満たない場合は、もう片方の目の視力が0.7以上で、視野が左右150度以上

この視力は、眼鏡やコンタクトレンズをつけた状態で測ったものでかまいません。眼鏡で基準を満たした場合は、免許証に「眼鏡等」の条件がつきます。なお、大型・中型免許や第二種免許では、両目0.8以上などさらに厳しい基準と、奥行きを見分ける検査があります。

免許センターの視力検査器をのぞく人と、普通免許の視力の基準を示した図

白内障が運転に影響するしくみ

白内障は、目の中でレンズの役割をしている「水晶体(すいしょうたい)」が濁る病気です。濁った水晶体を通る光は、まっすぐ網膜に届かずに散らばってしまいます。

透明な水晶体では光が一点に集まり、濁った水晶体では光が散らばる様子を上下に並べて比べた図

そのため、次のような見え方の変化が起こりやすくなります。

  • 対向車のライトや街灯がにじみ、まぶしく感じる
  • 夕暮れや雨の日に、景色全体が白っぽくかすむ
  • 薄い色の標識や、暗い服の歩行者が見分けにくい

免許の視力検査は、明るい場所で白い背景に黒い記号を見る検査です。そのため、視力の数字は基準を満たしていても、夜や逆光ではずっと見えにくくなっていることがあります。白内障の見え方の変化については、白内障の見え方セルフチェックでも詳しく紹介しています。

更新前に眼科を受診したほうがよいケース

次のような方は、免許の更新を待たずに一度眼科で検査を受けることをおすすめします。

  • 前回の更新で、視力検査がぎりぎりだった
  • 眼鏡を作り替えても、見え方がすっきりしない
  • 夜の運転や雨の日の運転が、以前より怖くなった

眼科では視力だけでなく、白内障の程度や、ほかの目の病気がないかも確認します。視力の低下が白内障によるものか、緑内障や網膜の病気によるものかで、対応が変わるためです。

なお、70歳以上の方は免許の更新時に高齢者講習を受けます。講習では、機器を使って夜間の見え方や視野などを確かめる時間があります。合否を決めるものではありませんが、ご自身の見え方を知るよい機会です。

夜の運転で気をつけたいこと

白内障があるうちは、運転の仕方を少し工夫するだけでも負担を減らせます。

夜の運転で気をつけたいことを、明るいうちに帰る、ガラスをきれいに保つ、速度を控えめにする、の3つのアイコンで示した図
  • 夕方以降や雨の夜の運転は、できるだけ避ける
  • フロントガラスの内側と外側、眼鏡のレンズをきれいに保つ
  • 対向車のライトを直接見ず、視線を道路の左側の白線に向ける
  • 速度を控えめにし、車間距離を長めにとる

ただし、これらはあくまで一時的な工夫です。見え方そのものが改善するわけではありません。運転に不安を感じるようになったら、早めに眼科で相談してください。

手術を考える目安

白内障手術を受ける時期は、視力の数字だけでなく、生活でどれくらい困っているかで判断します。車の運転が欠かせない方にとって、夜の運転がつらい、免許の基準に届かなくなりそう、という状況は手術を考える大切なきっかけになります。

手術では、濁った水晶体を取り除いて、人工の眼内レンズを入れます。光の散らばりの原因となっていた濁りがなくなるため、まぶしさやかすみが軽くなることが期待できます。ただし、見え方の改善の程度には個人差があります。緑内障や網膜の病気など、ほかの目の病気がある場合は、手術後も視力が十分に上がらないことがあります。手術のタイミングの考え方については、白内障手術いつ受ける?もあわせてご覧ください。

手術の前後の運転について

手術を受ける日と、その後しばらくは、ご自身での運転はできません。手術の日は瞳を開く目薬の影響が残り、見え方も安定していないためです。送迎の手配や公共交通機関の利用を、前もって準備しておいてください。

両目とも手術をする場合は、片目ずつ日を分けて行うのが一般的です。1回目と2回目の手術の間は、左右の見え方やピントの差が大きくなり、距離感がつかみにくくなることがあります。この期間に運転してよいかどうかは、左右の視力やピントの状態によって違いますので、自己判断せず診察で確認してください。運転を再開する目安については、白内障手術後の生活はいつから普段通り?で詳しく説明しています。

まとめ|「通るかどうか」より「安全に見えるかどうか」

  • 普通免許は、両目0.7以上・片目0.3以上(眼鏡使用可)が基準です
  • 白内障は、視力の数字以上にまぶしさやかすみとして運転に影響します
  • 更新の検査がぎりぎりの方や、夜の運転がつらい方は、早めに眼科で検査を
  • 手術の日と直後は運転できないため、送迎の準備が必要です

当院では、白内障の程度や生活の中での困りごとをうかがいながら、手術を考える時期を一緒に相談しています。免許の更新が近い方も、気になることがあればお気軽にご相談ください。

※この記事は一般的な情報提供を想定した内容です。運転免許の基準は免許の種類によって異なり、制度が改正されることもあります。最新の基準は運転免許センターなどでご確認ください。診断や治療、運転の再開時期については、必ず主治医の指示を優先してください。

記事監修者について

土屋俊輔

かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。

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