- 白内障
白内障手術は両目同時にできる?片目ずつ行う理由と、2眼目までの間隔・過ごし方
「両目とも白内障と言われました。一度に両方手術できますか?」「片目が終わってから、もう片方はいつごろになりますか?」。手術の説明をしていると、こうしたご質問をよくいただきます。
先に結論をお伝えします。両目とも手術が必要な場合でも、片目ずつ日を分けて行うのが基本です。当院では、水曜日に片目、金曜日にもう片目と続けて行うか、1週間ほどあけて行うかを、ご希望に合わせて決めています。また、遠方にお住まいの方や、お仕事の都合で通院が難しい方など、どうしても日を分けにくい事情がある場合は、両目を同じ日に手術する方法にも対応しています。
この記事では、片目ずつ行う理由、2眼目までの間隔の考え方、両目を同じ日に手術する場合のこと、そして片目だけ終わった期間の見え方と過ごし方を順番に説明します。
両目の白内障手術は「片目ずつ」が基本
加齢による白内障は両目に起こることが多いのですが、進み方には左右差があります。両目とも手術をする場合でも、1回の手術で扱うのは片目だけ、というのが一般的なやり方です。まず濁りが強い方、または生活で困っている方の目から手術することが多くなります。
片目ずつ行う3つの理由

片目ずつ行うのには、主に次の3つの理由があります。
- 合併症を両目に重ねないため:白内障手術は安全性の高い手術ですが、ごくまれに、目の中に細菌が入る感染(眼内炎)などの合併症が起こることがあります。日を分けることで、両目に同時に起こる事態を避けます
- 1眼目の結果を2眼目に生かすため:眼内レンズの度数は術前の検査で計算しますが、仕上がりには少し個人差があります。1眼目の見え方を確かめてから、2眼目の度数やピントの位置を考えることができます
- 手術直後も生活しやすいため:手術当日は眼帯をして帰ります。片目ずつなら、もう片方の目で身の回りのことがしやすくなります
眼内レンズのピントをどこに合わせるかは、両目のバランスで考えることも大切です。詳しくは単焦点レンズ、ピントはどこに合わせる?をご覧ください。
次の眼までの間隔の目安
2眼目の手術までの間隔は、医療機関や目の状態によってさまざまで、翌日に行うこともあれば、数日から数週間ほどあけるのが一般的です

当院の白内障手術は、水曜日と金曜日の午後に行っています。両目とも手術する場合は、次のどちらかから選んでいただいています。
- 続けて行う:水曜日に片目、同じ週の金曜日にもう片目
- 間をあける:最初の手術のあと、1週間ほどあけて次の手術
続けて行うと左右差のある期間が短くなり、間をあけると最初に手術を行った眼の回復をじっくり確かめてから次に進めます。お仕事や送迎のご都合も含めて、診察のときにご相談ください。日を分けることが難しい事情がある場合は、次に説明する両目同日の手術も選べます。どちらの場合も、手術の翌日には診察を受けていただきます。
当院は両目同日の手術にも対応しています
当院では、事情に応じて、両目を同じ日に続けて手術する方法にも対応しています。たとえば次のような場合です。
- 遠方にお住まいで、何度も通院するのが難しい
- お仕事の都合で、まとまって休めるのが一度だけ
両目同日の手術は、通院や送迎の回数を減らせ、左右の見え方に差がある期間もほとんどありません。一方で、先に挙げた「合併症を両目に重ねない」「1眼目の結果を生かす」という点では、日を分ける方法に及ばない面があります。また、手術の直後は両目とも見え方が落ち着かないため、帰宅後の身の回りのことを手伝ってくれる方がいると安心です。
目の状態によっては、同じ日の手術が向かないこともあります。希望される方は、利点と注意点の説明を受けたうえで、診察の際にご相談ください。
片目だけ終わった期間の見え方
最初と2回目の手術の間は、左右の見え方に差が出やすい時期です。特に、もともと近視や遠視が強かった方は、手術した目と、していない目で度数が大きく違う状態になります。

この時期には、次のようなことが起こりやすくなります。
- 手術した目の方が明るく、白っぽく見え、左右で色味が違って感じる
- 遠近感がつかみにくく、段差や階段で足もとが不安になる
- 今までの眼鏡をかけると、くらくらしたり疲れたりする
いずれも、次の手術が終わって左右の度数がそろうと、落ち着いてくることが多い変化です。見えにくさやつらさが強いときは、次の手術を待たずにご相談ください。
片目だけ終わった期間の過ごし方の工夫
左右差がある期間を少しでも楽に過ごすために、次のような工夫があります。

- 階段や段差では、手すりを使ってゆっくり歩く
- 合わない眼鏡は無理にかけない。手術していない側のレンズを外すなどの工夫ができることもあるため、診察でご相談ください
- 車の運転を再開できるかどうかは、左右の視力やピントの状態によって違うため、自己判断せず診察で確認する
- 手術した目への目薬は、指示どおりに続ける
新しい眼鏡を作るのは、両目の手術が終わり、度数が落ち着いてからが基本です。詳しくは白内障手術後の眼鏡はいつ作る?で説明しています。洗顔や入浴、お仕事の再開の目安は、白内障手術後の生活はいつから普段通り?もあわせてご覧ください。
片目だけ手術して、もう片方は様子を見てもよい?
反対の目の白内障がまだ軽く、生活で困っていない場合は、片目だけ手術して、もう片方は様子を見ることもあります。白内障手術を受ける時期は、視力の数字だけでなく、生活での困りごとをもとに考えるためです。
ただし、片目だけ手術すると、左右の見え方の差が長く続くことがあります。特に近視が強い方では、眼鏡で合わせにくくなる場合があり、反対の目の濁りが軽くても続けて手術を考えることがあります。手術の計画を立てるときに一緒に相談しましょう。
まとめ|両目の手術は、日程も含めて相談を
- 両目とも手術が必要な場合も、片目ずつ日を分けて行うのが基本です
- 片目ずつ行うのは、合併症を両目に重ねないため、1眼目の結果を2眼目に生かすためです
- 当院では、水曜と金曜に続けて行うか、1週間ほどあけるかを、ご希望に合わせて決めています
- 遠方にお住まい・お仕事の都合など、どうしても日を分けにくい事情があれば、両目同日の手術にも対応しています
- 片目だけ終わった期間は、左右差で見えにくさを感じやすいため、段差や運転に注意しましょう
当院では、目の状態やお仕事・ご家族の予定をうかがいながら、両目の手術の日程を一緒に考えています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
※この記事は一般的な情報提供を想定した内容です。手術の方法や日程、日常生活の制限は、目の状態によって異なります。必ず主治医の指示を優先してください。
記事監修者について
土屋俊輔
かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。