- 緑内障
緑内障の目薬の副作用は?充血・まつげ・目のくぼみなど種類ごとの特徴と対処法
緑内障の目薬を使っている方から、「目が赤いのは目薬のせいですか」「まつげが伸びてきたのですが大丈夫でしょうか」というご質問をよくいただきます。
先に結論をお伝えします。緑内障の目薬には、種類ごとに起こりやすい副作用があります。多くは目のまわりに限られたもので、さし方の工夫や目薬の変更で軽くできることがあります。一方で、ぜんそくや心臓の病気がある方では、全身への影響に注意が必要な目薬もあります。
大切なのは、気になる変化があっても自己判断でやめず、診察で相談することです。この記事では、種類ごとの主な副作用と対処法、相談のポイントを説明します。
緑内障の目薬はなぜ続ける必要があるのか
緑内障は、目から脳へ情報を送る視神経が少しずつ傷み、見える範囲(視野)が狭くなっていく病気です。いったん失われた視野は、現在の医学では元に戻すことができません。
治療の基本は眼圧を下げることで、その中心が目薬です。目薬は「治す」ためではなく、今の見え方をできるだけ長く保つために使います。
そのため、副作用が気になってもすぐに中止するのではなく、「どう続けやすくするか」を医師と一緒に考えることが大切です。
目薬の種類と、起こりやすい副作用
緑内障の目薬にはいくつもの種類があり、眼圧を下げるしくみも、起こりやすい副作用も異なります。代表的なものは次のとおりです。

プロスタグランジン関連薬
1日1回、主に夜にさすことが多い目薬で、緑内障治療でよく使われます。起こりやすい副作用は次のとおりです。
- 白目が赤くなる(充血)
- まつげが長く・濃くなる
- まぶたや目のまわりが黒ずむ(色素沈着)
- 目のまわりがくぼんだように見える
- 黒目の色が少し濃くなることがある
見た目の変化が中心で、特に片方の目だけに使っていると、左右の差が気になることがあります。
β(ベータ)遮断薬
心臓や気管支にも作用するため、ぜんそくのある方、脈が遅い方、心臓の病気がある方では注意が必要です。息苦しさや動悸、ふらつきなどを感じたときは、早めにお知らせください。
そのほかの目薬
炭酸脱水酵素阻害薬では、しみる感じや一時的なかすみ、口の中の苦みが出ることがあります。α2(アルファツー)作動薬では、目やまぶたのかゆみ・赤み、眠気が出ることがあります。ROCK(ロック)阻害薬では、さした後に一時的に白目が赤くなることがあります。
また、目の手術を受けたことがある方では、使えない種類の目薬もあります。手術歴は必ず医師にお伝えください。
目のまわりの副作用を減らす工夫
プロスタグランジン関連薬による目のまわりの変化は、さし方の工夫で起こりにくくできることがあります。

- 夜、洗顔や入浴の前にさす:さした後に顔を洗うと、まぶたに薬が残りにくくなります
- あふれた分はすぐにふき取る:まぶたやほおに付いたままにしないようにします
- 目頭を1〜2分ほど軽く押さえる:薬が鼻やのどに流れるのを防ぎ、全身への影響を減らすことにもつながります
- 1回1滴にする:2滴以上さしても効果は増えず、副作用が出やすくなる可能性があります
まつげの伸びや色素沈着は、目薬を変更・中止すると時間をかけて目立たなくなることが多いといわれています。ただし、元に戻るまでの期間には個人差があります。
さし方そのものについては、緑内障の目薬、さし忘れたらどうする?続けるコツと正しい点眼方法でも詳しく紹介しています。
「しみる」「かゆい」が続くとき
目薬には、品質を保つための防腐剤が入っているものがあります。長く使っていると、目の表面が荒れて、しみる感じやゴロゴロ感が出る方がいます。
また、目薬に対するアレルギーで、目やまぶたのかゆみ・赤み・腫れが出ることもあります。使い始めてしばらくしてから起こることもあるため、「前は平気だったから」と見過ごさないことが大切です。
このような場合は、防腐剤の入っていない目薬や、2種類の成分を1本にまとめた配合剤に切り替えて、目にさす回数や本数を減らすといった方法を検討します。
副作用がつらいときの選択肢
副作用があっても、それだけで治療をあきらめる必要はありません。状態に応じて、次のような方法を検討します。

- 目薬の種類を変える:しくみの違う目薬に切り替えます
- 配合剤にする:2つの成分を1本にまとめ、さす本数を減らします
- 防腐剤の入っていない目薬にする:目の表面への負担を減らします
- レーザー治療(SLT)を検討する:目薬の本数を減らせるかを検討することがあります
どの方法が合うかは、眼圧の高さや視野の進み方、ほかの病気やお薬によって変わります。レーザー治療については、緑内障のレーザー治療(SLT)とは?をご覧ください。
診察で伝えてほしいこと
副作用の相談は、具体的に伝えていただくほど適切な対応がしやすくなります。次のようなことをメモしておくと役立ちます。

- いつから、どの目薬を使ってから、どんな症状が出たか
- ぜんそく・心臓の病気などの持病と、飲んでいるお薬
- 目の手術を受けたことがあるか
- 実際にどのくらいさせているか(させていない日があっても、正直に)
お薬手帳と、使っている目薬を持ってきていただくと確認がスムーズです。
すぐに受診してほしい症状
次のような症状があるときは、次回の予約を待たずに早めにご連絡ください。
- 目やまぶたが強く腫れた、ただれた
- 急に見えにくくなった
- 息苦しさ、強い動悸、ふらつきが出た
- 急な目の痛みに、頭痛や吐き気をともなう
特に、急な目の痛みと頭痛・吐き気は、眼圧が急に上がっている可能性があり、早急な対応が必要です。
まとめ|副作用が気になったら、やめる前に相談を
緑内障の目薬には、充血やまつげ・まぶたの変化、しみる・かゆいといった目の副作用のほか、種類によっては全身への影響に注意が必要なものがあります。
多くの場合、さし方の工夫や目薬の変更、配合剤への切り替えなどで、続けやすくできる可能性があります。一番避けたいのは、副作用を理由に自己判断で中断し、そのあいだに視野の変化が進んでしまうことです。
かなざわ土屋眼科では、眼圧や視野の経過を見ながら、その方の生活や体調に合った治療をご提案しています。目薬について気になることがあれば、診察時にお気軽にご相談ください。
> ※この記事は一般的な情報提供を目的としています。副作用の出方や適した目薬は、個々の目の状態や体の状態によって異なります。必ず主治医の指示を優先してください。
記事監修者について
土屋俊輔
かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。