- 白内障
白内障手術後の生活はいつから普段通り?洗顔・入浴・運転の目安と目薬のコツ
白内障手術を終えた患者さんから、診察室でよくいただく質問があります。
「お風呂はいつから入れますか?」「顔はいつ洗っていいですか?」
結論からいうと、多くの場合、首から下のシャワーや入浴は手術の翌日ごろから、洗顔・洗髪は術後2-3日前後から少しずつ再開できることが一般的です。ただし、目の状態や手術の内容によって目安は変わりますし、医療機関ごとに指示が異なることもあります。
この記事では、白内障手術後の日常生活に戻る時期の一般的な目安と、術後に欠かせない目薬(点眼)を正しく続けるコツを解説します。
目次
なぜ手術のあとしばらく制限があるの?
白内障手術は、黒目のふちに数ミリの小さな切開を作り、濁った水晶体を取り除いて眼内レンズを入れる手術です。傷は小さく、多くの場合は縫わずに自然にふさがります。
ただし、傷が落ち着くまでの数週間は、目の中に細菌が入ると術後眼内炎という重い感染症につながるおそれがあります。頻度は決して高くありませんが、起きてしまうと視力に大きな影響が出かねないため、術後しばらくは「目に水や汚れを入れない」「目を押さえたり、こすったりしない」ことがとても大切です。
制限は「傷が落ち着くまでの一時的なもの」です。期間の目安が分かっていれば、必要以上に不安にならずに過ごせます。
日常生活はいつから?一般的な目安
以下は、合併症のない一般的な白内障手術後の目安です。実際の再開時期は術後の診察で確認しながら決めていきます。
- 当日:手術した目を保護する眼帯や保護メガネで過ごします。テレビや食事は普段どおりで構いません
- 翌日ごろから:首から下のシャワー・入浴、顔にかからないような洗髪、軽い家事、散歩など。デスクワーク中心のお仕事は再開できることが多いです
- 術後1週間前後から:洗顔・制限なしの洗髪(それまでは顔まわりを濡らしたタオルで拭く、洗髪は美容院で仰向けにしてもらうなどの工夫を)
- 術後2週間〜1か月ごろから:軽いスポーツ、アイメイク、ほこりの多い場所での作業など。水泳や激しい運動、温泉などは、目の状態を確認してからの再開をおすすめします
運転の再開は、視力だけでなく、見え方への慣れや左右のバランスも関わるため、必ず診察で確認してから再開してください。手術で目のピントが変わり、以前の眼鏡が合わなくなることもあります。新しい眼鏡を作る時期については、こちらの記事で詳しく解説しています。
術後の目薬は「治療の続き」です
白内障手術のあとは、感染を防ぐ目薬や、炎症を抑える目薬など、複数の目薬が処方されます。見え方が良くなると「もう治った」と感じて目薬がおろそかになりがちですが、術後の目薬は手術とひと続きの治療です。指示された期間、きちんと続けましょう。
正しい点眼のポイント
- 点眼の前に手を石けんで洗う
- 容器の先が、まつ毛やまぶた、目に触れないようにさす
- 1回1滴で十分です。あふれた分は清潔なティッシュで軽く押さえます
- 2種類以上の目薬をさすときは、5分ほど間隔をあける
- さしたあとは、まばたきをせず、そっと目を閉じるか目頭を軽く押さえる
さし忘れに気づいたときは、気づいた時点で1回分をさし、次からは通常どおりで構いません。一度にまとめて2回分さす必要はありません。点眼を続けるコツについては、緑内障の記事ですが、こちらも参考になります。
術後にやってはいけないこと
- 目をこする・押さえる:傷口に負担がかかります。かゆみや違和感があっても、こすらずにご相談ください
- 汚れた手や水を目に入れる:洗顔・洗髪の再開前はもちろん、再開後もしばらくは石けんや水が目に入らないよう気をつけましょう 特に当院のまわりでは農作業や畑仕事をされる方がおおいようですが、そういった作業は術後2週間程度は避けて下さい。
- 自己判断で目薬をやめる:調子が良くても、指示された期間は続けてください
- うつぶせ寝や目を圧迫する姿勢:手術した目を下にして寝ないよう、しばらく意識しましょう
こんな症状があれば早めに連絡を
術後の経過が順調でも、次のような症状が出た場合は、次回の予約日を待たずに、手術を受けた医療機関へ早めに連絡してください。
- 急に見えにくくなった
- 目の強い痛み、頭痛や吐き気を伴う痛み
- 充血がどんどん強くなる
- 目やにが増えた
- 黒い影や虫のようなものが急に増えた、光が走る
これらは、術後眼内炎(眼の中に細菌が入る感染症)や網膜の病気など、早めの対応が必要な状態のサインであることがあります。
まとめ|焦らず、でも怖がりすぎず。診察で確認しながら戻しましょう
白内障手術後の生活は、翌日ごろから少しずつ、1週間〜1か月かけて普段どおりに戻していくのが一般的です。制限は一時的なもので、多くの方が仕事や趣味に復帰されています。
大切なのは、「目に水や汚れを入れない」「こすらない」「目薬を続ける」の3つです。再開の時期は目の状態によって一人ひとり異なりますので、術後の診察でその都度ご確認ください。
かなざわ土屋眼科では、術後の生活について、その方のお仕事や生活スタイルに合わせて具体的にご案内しています。「これはいつからしていい?」という小さな疑問でも、診察の際にお気軽にご相談ください。
> ※この記事は、合併症のない一般的な白内障手術後を想定した内容です。再開時期の目安は医療機関や目の状態によって異なります。必ず手術を受けた医療機関・主治医の指示を優先してください。
記事監修者について
土屋俊輔
かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。