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緑内障の目薬、さし忘れたらどうする?続けるコツと正しい点眼方法

緑内障で目薬を使っている患者さんから、よくいただく質問があります。

「昨日、さし忘れてしまいました。どうすればよいですか?」

そして、こんな声もよく聞きます。

「症状も出ていないのに、ずっと続ける必要があるのでしょうか?」

結論からいうと、さし忘れに気づいたときは、気づいた時点で1回分をさし、次からいつも通りに戻せば大丈夫です。そして、自覚症状がなくても点眼を続けることが、これからの見え方を守るうえで最も大切です。

この記事では、緑内障の目薬をさし忘れたときの対処法と、無理なく続けるための工夫を分かりやすく解説します。

なぜ緑内障の目薬を続ける必要があるの?

緑内障は、目から脳へ情報を送る視神経が少しずつ傷んでいき、見える範囲(視野)が狭くなっていく病気です。

やっかいなのは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。見えない部分ができても、もう一方の目が補ったり、脳が自然に埋めて認識したりするため、かなり進行するまで気づきにくいのです。

そして、いったん失われた視野は、現在の医学では元に戻すことができません。緑内障の治療は「治す」ためではなく、今ある見え方をできるだけ長く保つために行います。

目薬によって眼圧を下げることは、進行をゆるやかにする方法として確立されています。効果は目に見えて実感できるものではありませんが、続けることそのものに意味がある治療です。

さし忘れたときの対処法

気づいた時点で1回さす

その日のうちに気づいた場合は、気づいた時点で1回分をさしてください。そして、次からはいつもの時間に戻します。

2回分をまとめてささない

「昨日の分も一緒に」と2滴・2回分をまとめてさす必要はありません。効果が2倍になるわけではなく、副作用が出やすくなる可能性があります。

次の点眼時間が近いときは1回とばす

次にさす予定の時間が迫っている場合は、忘れた分は飛ばして、次の回から通常通り再開してください。

数日間まとめて忘れてしまったら

自己判断で中断せず、いつも通りの点眼を再開したうえで、次回の診察で「何日ほどさせていなかった」と正直にお伝えください。眼圧の状態を確認し、必要に応じて治療内容を見直します。

さし忘れを申告しても叱られることはありません。むしろ、実際の使用状況が分かることで、より適切な治療を選ぶことができます。

無理なく続けるための工夫

点眼を続けられない理由は、意志の問題ではなく「生活の中に組み込めていない」ことがほとんどです。次のような工夫が役立ちます。

  • 毎日必ずする行動とセットにする(歯みがきの後、朝食の後、就寝前など)
  • 目につく場所に置く(洗面台、食卓、枕元など。ただし高温になる場所は避ける)
  • スマートフォンのアラームを設定する
  • カレンダーや手帳にチェックを付ける(さしたかどうか迷わなくなります)
  • 携帯用を1本持ち歩く(外出や旅行が多い方)

複数の目薬を使っている方は、どれをいつさすのか分からなくなることがあります。ボトルにシールを貼る、順番をメモしておくなどの方法もありますので、診察時にご相談ください。

正しい点眼のしかた

せっかく続けていても、さし方によっては薬が十分に効かないことがあります。

  1. 手を洗う
  2. 軽く上を向き、下まぶたを軽く下げる
  3. 1滴だけ落とす(目に入る量は決まっているため、2滴以上さしても無駄になります)
  4. 目を閉じ、目頭を1〜2分ほど軽く押さえる(薬が鼻に流れるのを防ぎ、効果を高め、全身の副作用を減らします)
  5. あふれた分はティッシュでふき取る

ボトルの先端がまつげや目に触れると、雑菌が入る原因になります。容器の先を目に付けないように注意してください。

複数の目薬を使う場合は、5分以上あけてさします。続けてさすと、先の薬が流れ出てしまいます。

目薬が合わないと感じたときは

緑内障の目薬では、目の充血、しみる感じ、まぶたの色素沈着、まつげが伸びる、目のまわりがくぼむといった変化が起こることがあります。全身への影響として、ぜんそくのある方や脈が遅い方で注意が必要な種類もあります。

大切なのは、気になる症状があっても自己判断で中断しないことです。緑内障の目薬にはいくつもの種類があり、変更や調整で解決できる場合が少なくありません。

「続けるのがつらい」「この症状が気になる」と感じたら、我慢せずご相談ください。生活の中で続けられる治療でなければ、意味がありません。

緑内障については、こちらの記事もご覧ください。

点眼より先に受診してほしい症状

次のような症状があるときは、目薬の問題だけとは限りません。次回の予約を待たず、早めに受診してください。

  • 急に目が痛くなった、頭痛や吐き気をともなう
  • 急に見えにくくなった、視界がかすむ
  • 目のまわりが強く腫れた、まぶたがただれた
  • 電球のまわりに虹のような輪が見える

特に、急激な目の痛みと頭痛・吐き気は、眼圧が急に上がる発作の可能性があります。早急な処置が必要ですので、すぐに医療機関へご連絡ください。

まとめ|さし忘れても大丈夫。続けることが視野を守ります

緑内障の目薬をさし忘れたときは、気づいた時点で1回さし、次からいつも通りに戻せば大丈夫です。2回分をまとめてさす必要はありません。

自覚症状がないなかで毎日続けるのは、決して簡単なことではありません。それでも、点眼を続けることが、これからの見え方を守るいちばん確実な方法です。

続けにくさを感じたときは、目薬の種類を変える、本数を減らす、レーザーなど別の治療を検討するといった選択肢もあります。かなざわ土屋眼科では、眼圧や視野の経過を見ながら、その方の生活に合った治療をご提案します。気になることがあれば、診察時にお気軽にご相談ください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。目薬の種類や使用回数、さし忘れた際の対応は個々の状態によって異なります。必ず主治医の指示を優先してください。

記事監修者について

土屋俊輔

かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。

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