- 白内障
当院における白内障手術をおすすめするタイミング
当院では日帰り手術(白内障・硝子体・緑内障)に力をいれております。
幸いなことに白内障手術を当院でご希望される方が徐々に多く来院下さり、現在約1ヶ月後からのご案内となっております。
もちろん免許更新が控えているなどの事情があれば最大限配慮致しますので、ご相談下さい。
当院では以下のような方に手術をおすすめしております。
白内障による症状により眼鏡をかけても視力が低下(1.0より低下)し、ご自身でもお困りの方
もちろん大前提として、上記のように視力が低下し、自覚症状として見にくさがある場合に、第一に手術を提案させていただいています。
難しいのは、視力が低下しているにも関わらず、ご自身ではまったく生活に支障をきたしていない場合です。
白内障は多くの場合ゆっくり進行しますので、自覚症状に乏しい方もいらっしゃいます。
ご自身では困っていない場合には、こちらから強く手術を勧めることはありません。
しかし、以下の場合、御本人が困っていない場合でも手術をおすすめしています。
- 狭隅角・浅前房の場合
これは他のコラムでもお伝えしておりますが、これを放置すると緑内障発作、閉塞隅角緑内障への進行など、重篤な眼疾患に陥る可能性がありますので、手術を強くおすすめします。 - 御高齢の場合
現在お困りでない場合でも、徐々に体力の低下や予期せぬご病気で、他疾患の治療に専念しなければならない、もしくは認知機能の低下によりご自身での視力低下の判断が難しくなることがありえます。
過去の論文では、白内障手術による視力改善により、認知機能の低下も防ぐことができるという結果もでてきています。
また、せっかく手術を受けて頂くのですから、よりよい見え方で長く過ごして頂きたいという思いもあります。
明確な基準はありませんが、当院では70歳代のうちに手術を受けて頂くようお伝えしていることが多いです。すでに80代になっている方で、もし白内障手術をまだ受けていないようであれば強く手術を受けることをおすすめします。
当院は日帰り手術のみの施設ですので、もし通院に不安などあれば、入院できる施設をご紹介しますので、ぜひご相談下さい。 - 近視がすすんでいる場合
白内障のなかでも近視が進んでしまうタイプの白内障があります(核混濁が強いタイプで、核性近視と呼ばれています)。
このパターンでは、まだ眼鏡を合わせると視力が出る方もいらっしゃいますが、また白内障の進行に伴い近視が進行し、作成した眼鏡が合わなくなることが予想されます。近視を軽減し、裸眼視力の向上も期待できますので、この場合も手術をおすすめしています。 - 偽落屑症候群・落屑緑内障の場合
偽落屑症候群・落屑緑内障という病気があります。これは眼内の至る所に偽落屑物質(フケのような白い物質)が沈着し、眼圧上昇、緑内障などを引き起こします。(図の白い沈着物)
この偽落屑物質が水晶体の支えの部分(チン小帯といわれています)に付着している場合、構造が脆弱となり支えが弱くなってしまい、白内障手術によって合併症が生じる可能性が高くなります。
白内障が進行するほど、手術の最中に支えに負担がかかり、合併症のリスクが増えますので、はやめの白内障手術をおすすめします。 - 遠視が進み、裸眼視力が低下している場合
「若い頃には眼鏡なしでよく見えていたが、最近遠くも手元も眼鏡なしに見にくくなった」とおっしゃる方もおおくいらっしゃいます。
多くの場合、年齢とともに遠視(どこにもピントが合わない状態)がすすみ、裸眼視力が低下している状態です。
基本的にはまず眼鏡をあわせて様子を見ることをおすすめしますが、白内障があって、眼鏡装用をできるかぎりやめたい、裸眼で運転したいなどの御本人の希望がある場合、手術をすすめることがあります。
以上、当院での白内障手術をおすすめする場合をまとめました。
「全然困っていないのに白内障手術をすすめられた」と他院を受診された際に思うこともあるかもしれません。
その時は多くの場合上記のいずれかにあてはまると思います。
また不明点がありましたらいつでも医師、スタッフにお聞き下さい。