2024年7月 金沢市福久町にてリニューアルOPEN
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白内障手術の結果を左右する?術前検査はここが大事です!

 

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、その代わりに「眼内レンズ」という人工のレンズを目の中に入れます。

眼内レンズは、手術後の見え方に大きく関わる大切なレンズです。そのため、白内障手術の前には、目の状態を詳しく調べたうえで、どのような眼内レンズを入れるか、どの距離にピントを合わせるかを慎重に考える必要があります。

今回は、白内障手術前に行う術前検査の内容や、眼内レンズの度数をどのように決めているのかについて、できるだけわかりやすく解説します。

白内障手術では眼内レンズ度数の決定が最重要

白内障は、目の中にある水晶体が濁ることで、かすみ、まぶしさ、視力低下などが起こる病気です。白内障手術では、この濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入します。

眼内レンズにはさまざまな種類があります。一定の距離を重視する単焦点レンズ、乱視を矯正するレンズ、複数の距離を見やすくする多焦点眼内レンズなどがあります。

そのため、白内障手術では「手術をすること」だけでなく、「どの眼内レンズを選ぶか」「どの距離にピントを合わせるか」がとても大切です。

眼内レンズの度数はどうやって決めるのか

眼内レンズの度数を決めるためには、いくつかの検査が必要です。

特に重要なのは、目の長さを測る検査と、角膜の形を調べる検査です。

目の長さは「眼軸長」と呼ばれます。眼軸長とは、目の前の部分から奥の網膜までの長さのことです。この眼軸長は、眼内レンズの度数を計算するうえで非常に重要な情報になります。

目の長さが違えば、必要な眼内レンズの度数も変わります。そのため、白内障手術前には、眼軸長をできるだけ正確に測定する必要があります。

また、角膜の形も大切です。角膜とは、いわゆる黒目の表面にあたる部分です。角膜のカーブや形は、眼内レンズの度数計算や乱視の評価に関わります。

白内障手術前の検査では、乱視の状態も詳しく確認します。

乱視とは、ものがにじんで見えたり、ぼやけて見えたりする原因の一つです。乱視がある場合、白内障手術の際に乱視を軽減する方法を検討することがあります。

乱視には、眼内レンズや手術の工夫で対応しやすいものもあります。一方で、角膜のゆがみが強い場合や、不正乱視と呼ばれる直しにくい乱視がある場合には、レンズ選びに注意が必要です。

特に多焦点眼内レンズを検討する場合には、乱視や角膜の状態をより慎重に確認する必要があります。

多焦点眼内レンズは、遠くから中間、手元まで、複数の距離を見やすくすることを目的としたレンズです。ただし、すべての方に適しているわけではありません。角膜の状態や乱視の種類、目の病気の有無によっては、多焦点眼内レンズが合わないこともあります。

そのため、手術前の検査では、単にレンズの度数を決めるだけではなく、その方の目にどのレンズが適しているかを確認していきます。

当院で行っている術前検査について

当院では、白内障手術前に、目の長さ、角膜の形、乱視の状態などを詳しく確認しています。

眼軸長の測定には、ARGOSやOA-2000などの検査機器を使用しています。これらの機器で目の長さを測定し、眼内レンズの度数計算に必要な情報を確認します。

また、角膜の形や前眼部の状態を詳しく調べるために、CASIA2という前眼部OCTも使用しています。前眼部とは、目の前の方の部分を指します。CASIA2では、角膜の形やゆがみを断面で詳しく確認することができます。

角膜の状態を詳しく調べることで、乱視の程度や種類、手術後の見え方に影響する可能性のある要素を確認しやすくなります。こうした情報は、眼内レンズの選択や乱視矯正の判断に役立ちます。

手術中の乱視矯正を支援するVERION

当院では、VERIONという手術支援システムも使用しています。

VERIONは、手術前に撮影した目の情報をもとに、手術中に必要な位置情報を確認しやすくするシステムです。

白内障手術では、乱視矯正を行う場合に、どの角度に眼内レンズを合わせるか、どの位置で操作を行うかが重要になります。VERIONを使用することで、手術中に画像情報を参考にしながら、より正確な乱視矯正を目指すことができます。

近年は、白内障手術後の見え方に対する期待も高くなっています。そのため、手術前の検査だけでなく、手術中にもできるだけ正確な確認を行うことが重要です。

術前検査に時間がかかる理由

白内障手術前の検査には、ある程度時間がかかることがあります。

目の長さを測る検査、角膜の形を調べる検査、乱視の確認、眼内レンズの相談、手術説明など、確認すべきことが多いためです。

しかし、これらの検査や説明は、手術後の見え方をできるだけ良いものにするための大切な準備です。

眼内レンズは、患者さん一人ひとりの目の状態に合わせて選ぶ必要があります。また、同じ白内障手術であっても、生活スタイルや希望する見え方によって、適したレンズやピントの合わせ方は変わります。

術前検査は、単に手術のための検査ではなく、その方に合った見え方を考えるための重要な時間です。

手術前に考えておくとよいこと

白内障手術を受ける前には、「手術後にどのような見え方を希望するか」を考えておくと、診察時の相談がスムーズになります。

たとえば、運転やテレビ、散歩など、遠くを見る生活を重視したい方もいます。スマートフォンや読書など、手元を見ることを重視したい方もいます。パソコン作業や料理など、中間距離を見やすくしたい方もいます。

どの距離を優先したいかによって、眼内レンズの選び方やピントの合わせ方は変わります。

単焦点眼内レンズの場合は、基本的にはピントが合う距離を一つ決める必要があります。

「遠く合わせ」といった場合には、おおよそ2〜3メートル以上先を見る場面をイメージすると分かりやすいです。運転、テレビ、散歩、外の景色を見るような距離がこれにあたります。

一方で、「手元合わせ」は、手が届く範囲をイメージするとよいでしょう。具体的には、30〜50センチ程度の距離です。スマートフォンや本を読む距離がこれにあたります。

ただし、もともとの見え方や生活スタイルによっては、希望するピントの合わせ方が必ずしも自然な見え方につながらない場合もあります。

そのため、眼内レンズを選ぶ際には、患者さんの希望だけでなく、検査結果や目の状態を総合的に見ながら判断することが大切です。

診察では、どの距離を見やすくしたいか、眼鏡をどの程度使ってもよいか、運転や仕事、趣味でどのような見え方が必要かを確認しながら、適したレンズを相談していきます。

まとめ

白内障手術前の術前検査は、手術を受けるための準備というだけではありません。

目の長さ、角膜の形、乱視の状態、目の病気の有無、生活スタイル、希望する見え方を確認しながら、その方に合った眼内レンズを選ぶための大切な過程です。

眼内レンズの度数を正確に計算することはもちろん、乱視の状態や角膜の形を詳しく確認することで、手術後の見え方の質を高めることにつながります。

白内障手術を検討されている方、眼内レンズの選び方に迷っている方、術前検査で何をするのか不安がある方は、診察時に遠慮なくご相談ください。

ご自身の生活の中で、どの距離を見やすくしたいか、眼鏡をどの程度使ってもよいかなどを一緒に確認しながら、目の状態に合った治療方針を考えていきます。

記事監修者について

土屋俊輔

かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。

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