- 近視進行抑制
子供の近視進行を抑える新常識。1日使い捨てコンタクト「MiSight(マイサイト)」とは?
「学校の検診でまた視力が下がっていた」「このままどんどん目が悪くなったらどうしよう」……。 スマホやタブレットの普及により、お子様の近視に悩む親御さんが増えています。これまでの近視治療は「見え方を矯正する」ことが主流でしたが、今は「近視の進行そのものを遅らせる」治療が選べる時代です。
今回は、近視進行抑制ソフトコンタクトレンズ**「MiSight® 1 day(マイサイト)」について、その仕組みやメリットを分かりやすく解説します。
目次
マイサイトってどんなレンズ?
マイサイトは、クーパービジョン社が開発した「1日使い捨てタイプ」の子供用ソフトコンタクトレンズです。
通常のコンタクトレンズは「遠くをはっきり見せる」ことだけを目的にしていますが、マイサイトはそれに加えて「眼軸(目の奥行き)が伸びるのを抑える」という特殊な機能を持っています。
なぜ近視が抑えられるの?
近視が進む大きな原因は、目の奥行き(眼軸長)がラグビーボールのように前後に伸びてしまうことです。
通常のレンズでは、中心部は網膜にピントが合いますが、周辺部では網膜より「後ろ」にピントが合ってしまいます。すると、目はそのピントに合わせようとして、さらに後ろへ伸びようとしてしまいます。
マイサイトの「デュアルフォーカス構造」 レンズの中に「遠くを見るためのゾーン」と「治療用のゾーン」を交互に配置しています。治療用ゾーンが網膜より「手前」にピントを結ばせることで、「これ以上、目は伸びなくていいよ」という信号を脳に送り、近視の進行にブレーキをかけます。
マイサイトのメリット・デメリット
治療を始める前に知っておきたい、良い点と注意点をまとめました。
メリット
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高い清潔性と安全性: 1日使い捨て(ワンデー)なので、毎日新品。アレルギーや感染症のリスクを最小限に抑えられます。
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装用感がスムーズ: 柔らかい素材なので、コンタクトが初めてのお子様でも数日で慣れることが多いです。
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紛失しても安心: 万が一、学校でレンズを落としたり失くしたりしても、予備のレンズがあればすぐに対応できます。
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確かなエビデンス: 世界的な臨床試験により、近視の進行を約59%抑制したというデータが出ています。
デメリット
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毎日のコスト: 使い捨てのため、継続的な費用がかかります。
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日中の装用: 起きている間に装着する必要があるため、水泳の授業がある日は眼鏡で過ごすなどの工夫が必要です。
- 小さいお子様が学校でコンタクトレンズトラブルがあった場合、ご自身で対応が必要になる。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 何歳から始められますか?
一般的には8歳〜12歳での開始が推奨されています。自分でレンズの着脱ができる、あるいは保護者の方がしっかりサポートできることが条件となります。
Q. 痛みはありませんか?
ソフトコンタクトレンズですので、ハードレンズのようなゴロゴロ感はほとんどありません。最初は少し違和感があるかもしれませんが、多くのお子様がすぐに慣れて元気に過ごされています。
Q. ずっと使い続けないといけないの?
他の近視進行抑制治療と同じく、近視の進行が落ち着く10代後半(高校卒業くらい)まで継続するのが一般的です。途中で止めることも可能ですが、効果を最大化するためには継続が大切です。
まとめ:将来の目の健康を守るために
近視は単に「目が悪い」というだけでなく、将来的に緑内障や網膜剥離などのリスクを高めることがわかっています。お子様の目が成長過程にある「今」しかできない対策があります。
「眼鏡をかけるのが早かったかな?」と悩む前に、一度専門の眼科医に「マイサイト」の選択肢について相談してみてはいかがでしょうか。
記事監修者について
土屋俊輔
かなざわ土屋眼科院長の土屋俊輔(つちやしゅんすけ)です。金沢大学附属病院に在籍中は、大学病院へご紹介頂く白内障・緑内障・網膜硝子体疾患の中でも難治性疾患、および緊急疾患にお困りの方々に数多くの手術を執刀させて頂き、研鑽を積んで参りました。 当院では手術だけではなく、近視進行抑制治療や、一般的な眼科疾患にも広く対応しています。どんな眼のお困りごとも、気軽にご相談ください。

