霰粒腫の治療について
めもらいと診断され、目薬などの治療を続けていてもしこりが残ることがあります。
これは霰粒腫と呼ばれる、まぶたにある「マイボーム腺」という脂の分泌腺が詰まり、慢性的な炎症を起こしてしこり(腫瘤)ができる病気です。痛みがないことも多く、自然に小さくなることもありますが、長引く場合はさらなる治療が必要になります。
しこりが残ってお困りの方が多いため、改めて治療の選択肢に関してまとめたいと思います。
1. 保存的治療(温罨法・マッサージ)
まぶたを温めることで血行を促進し、詰まった脂を溶かす方法です。清潔なホットタオルや専用の温罨器を使って1日数回温め、軽くまぶたをマッサージします。
メリット:
• 痛みや副作用がなく、自宅で簡単に続けられる
• 初期や軽度の霰粒腫には特に効果的
• 小児や手術を避けたい方にも向いている
デメリット:
• 改善に時間がかかる場合がある
• 大きく硬くなった霰粒腫には効果が乏しい
選択の基準:
• 初期〜中等度の霰粒腫
• 手術を希望しない方、痛みがない方
2. 薬物療法(点眼薬・軟膏・内服薬)
抗炎症薬や抗菌薬の点眼や軟膏で炎症を抑えます。
メリット:
• 感染を伴う場合や、初期の炎症を抑えるのに有効
• 他の治療と併用することで効果を高められる
デメリット:
• 完全に腫瘤が消えるとは限らない
• 長期使用は目に負担がかかることも
選択の基準:
• 保存的治療と併用するケースが多い
3. ステロイド注射
しこりの部分にステロイド薬を直接注射し、炎症を抑えて縮小を促します。
メリット:
• 手術を避けたい方に有効
• 比較的早期に効果が現れることもある
デメリット:
• 注射に痛みが伴う
• 繰り返し注射が必要なことがある
• 色素沈着や皮膚のへこみといった副作用のリスクがある
選択の基準:
• 保存的治療で効果が乏しいが、手術を避けたい方
• 比較的小さめの霰粒腫
4. IPL(Intense Pulsed Light)療法
まぶたの周囲に特殊な光(パルスライト)を照射し、皮脂腺の炎症を抑え、マイボーム腺の機能を改善する新しい治療法です。本来はドライアイやマイボーム腺機能不全(MGD)への治療として開発されましたが、霰粒腫に対しても有効性が報告されています。
メリット:
• 霰粒腫の原因であるマイボーム腺の機能改善にアプローチする
• 痛みが少なく、短時間で施術可能(数分程度)
• 再発しやすい方の予防にも有効
• 複数回の施術でドライアイ症状の改善も期待できる
デメリット:
• 保険適用外の自由診療となる(当院では1回8000円(税込み)、1クール合計4回を推奨)
• 一度で効果が出るとは限らず、数回の施術が必要なことが多い
• 皮膚の状態や体質により施術ができない場合もある
選択の基準:
• 慢性・再発性の霰粒腫
• 繰り返す霰粒腫やマイボーム腺の詰まりを根本から改善したい方
• 手術は避けたいが、積極的な治療を希望される方
4. 手術(切開排膿・内容物除去)
内容:
まぶたの裏側(皮膚側の場合もあり)から小さく切開し、中の内容物を取り除く局所麻酔下の小手術です。
メリット:
• 再発しにくい
• 日帰り手術で短時間で終了
デメリット:
• 局所麻酔や手術に抵抗がある方には不向き
• 術後に腫れや内出血が出ることがある
• 小児では麻酔が必要なので、総合病院へ行く必要がある
選択の基準:
• 数週間以上改善しない霰粒腫
• しこりが硬く大きくなっている場合
• 見た目や違和感が強く、早期に改善を希望される方
上記のように様々な治療がありますが、御本人の希望に応じて当院では最適なものをご提案いたします。
霰粒腫でお困りの際には一度ご相談くだささい。