- 白内障
- 緑内障
狭隅角・浅前房について
狭隅角・浅前房とは?
基本的には上記2つの単語はほぼ同じ意味で使用されます。
眼の中には房水と呼ばれる水の流れが存在し、最終的には隅角に存在する線維柱帯、シュレム管を通って排水されます。
しかし、人によっては隅角が狭い、つまり水の通り道が狭くなってしまうことで、水の流れが滞り、
眼圧上昇、緑内障発症につながってしまう場合があります。
この状態を狭隅角と呼んでいます。
この状態の方は、程度が強い場合、緑内障発作という重篤な疾患を発症する場合が高まりますので、場合によっては治療を提案します。
治療法
治療法は大きく分けて2つ存在します
1)レーザーによる虹彩切開
レーザーによって虹彩部分に切開をあけて、房水の逃げ道を別に作成する治療法です。
外来でできる治療で以前は広く行われていました。
最近になって特に日本人において、レーザー術後の合併症で角膜(黒目)が混濁し角膜移植などの治療が必要になる可能性があることが危惧されています。
緑内障学会によるガイドラインや海外からの論文によると、後述の白内障手術を施行したほうがメリットが大きいとの指摘もあります。
2)白内障手術
白内障手術をすることによって、水晶体を取り除き、眼内レンズに置き換わります。
この眼内レンズはもともとの水晶体よりもかなり厚み、容積が小さいため、隅角が開大し、眼圧上昇、緑内障発作を防ぐことができます。
すこしでも白内障があるようであれば安全性と、今後の発作の危険性を限りなくゼロにするために、白内障手術を当院ではおすすめしています。
ただし非常に若年である、全身状態が悪いなど、個人の状態によってはレーザーによる治療をおすすめする場合もあります。
狭隅角・浅前房の方の注意点
狭隅角の方にとって、内科などで処方される薬により眼圧上昇・緑内障発作を引き起こす可能性があります。
当院ではそのような方には日本眼科医会が作成した連絡カードを差し上げています。
お薬手帳などに挟んでおけば、他院受診もしくは薬局でお薬をもらう際にも便利です。